妊娠中の大事な栄養素、葉酸って?

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妊娠中の大事な栄養素、葉酸って?

葉酸はビタミンB群に属する、妊娠中から積極的に摂りたい栄養素です。 赤ちゃんだけでなく、ママの身体にも大切な栄養素である葉酸。 多くのうれしい効果をもつ葉酸は、野菜やフルーツなどさまざまな食材から摂取することができますが、サプリメントであれば効率よく摂取できることをご存じでしょうか。 この記事では、葉酸が必要な理由と必要量の葉酸を摂取する方法をご紹介します。

葉酸はまさに女性のための栄養素です。 具体的な葉酸の効果もお伝えしますので、参考にしてくださいね。

葉酸は女性にうれしい効果がいっぱい

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葉酸は妊娠中や出産後の効果はもちろん、美容と健康のためにも必要な栄養素です。 たとえば、葉酸は新陳代謝を高める効果をもっているため、肌の再生リズムをサポートする効果があります。 また血行促進効果もあるため、健康的な肌ツヤを生み出したり、ダメージを受けた肌のターンオーバーを補助する美肌効果があるのです。 さらに葉酸は幸せを感じるために必要な「セロトニン」の分泌を促します。

女性は繊細な方も多く、ホルモンバランスの乱れなどで精神的にも不安定になりがち。 幸せホルモンを分泌することで、ストレスを軽減したりリラックス効果が得られたりと精神を安定させるうれしい効果が表れます。 葉酸はホルモンバランスの乱れがちな女性を、心と身体の両面からサポートする優秀な栄養素なのです。

妊娠前から積極的に摂取しよう

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葉酸は妊娠中に限らず、妊娠前や出産後にも摂取したほうが良い栄養素です。 もっとも摂取すべきとされているのは、妊娠超初期から初期にかけての期間です。 妊娠初期は1~4ヵ月までのことを指し、妊娠超初期は最終月経が終わった日から3週ごろまでを指します。

妊娠超初期から初期は胎児の細胞が形成されはじめ、心臓や脳、神経管など重要な組織をつくる大切な時期。 葉酸はDNA・RNAやたんぱく質の合成を促進する栄養素なので、胎児の成長には葉酸が欠かせません。 妊娠超初期は妊娠に気づいていない人も多いため、妊娠前から葉酸を意識して摂取することが大切です。

酸が必要な理由とは?

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葉酸は妊娠前から摂取すると良いと分かりました。 先述した通り、葉酸はDNA(遺伝子を保存)やRNA(遺伝子を運ぶ)などの合成をスムーズに運ぶ役割をしています。 また、葉酸は赤血球の生成を助ける栄養素なので、妊娠中の貧血予防にも効果が期待できます。

他にも多くの役割を持つ葉酸は、妊娠中のママとお腹の中の赤ちゃんとママにとって非常に大切な栄養素です。 つぎに、赤ちゃんと母体に与える影響に分けて詳しく見ていきます。

赤ちゃんに与える影響

ママにとって、赤ちゃんの成長は何より大切なもの。 葉酸はDNAやたんぱく質の合成を促進する、胎児の発育にとって大事な栄養素です。 赤ちゃんに与える影響を詳しく見ていきましょう。

神経管閉鎖障害のリスクを減らす

先天異常は妊娠10週の妊娠初期までに発生していることが分かっています。 この期間は細胞分裂が活発に行われており、葉酸がもっとも必要な時期。 妊娠初期に葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」の先天性異常の発症率が高まります。 神経管閉鎖障害とは、脳や脊椎のもととなる神経管をうまく形成できないことで起こる障害でとやれられはりひけかはきあす。 主な症状に、無脳症や二分脊椎などがあります。

二分脊椎になると運動神経などの各神経に障害が起こり、運動障害や排泄障害が現れることも。 神経管閉鎖障害が起こる原因は複合的なものであり、葉酸不足だけが原因とはいえませんが、葉酸を摂取することでリスクの回避ができることは確かです。

胎児の成長を促す

赤ちゃんはお腹の中で多く細胞分裂を行い、大きく成長します。 葉酸は細胞分裂に重要な役割をもつDNAやRNAの成分となるプリン・ピリジミンの合成を促し、赤ちゃんが大きくなるサポートをする栄養素でもあるのです。 細胞分裂がスムーズに行われることで身体の構造が完成するため、赤ちゃんの健康と成長に非常に重要な役割を持っていると分かります。

母体に与える影響

葉酸が与える影響は赤ちゃんだけではありません。 妊婦さんにとっても非常に大切な栄養素であり、妊娠前から出産後まで摂取することが望ましいとされているほどです。 ママの身体におこる効果についても詳しくみていきましょう。

貧血になりにくい

妊娠中に起こりやすいトラブルの1つに貧血があります。 貧血になりやすい理由は、赤ちゃんの成長に血液中の鉄分が使われるため。 妊娠すると血液量が増えますが、赤血球が増えずに鉄分が失われるため、貧血になりやすいのです。 葉酸は赤血球を作る作用があるため、貧血予防にも効果的です。

妊娠高血圧症候群を予防する

葉酸はホモシステインをメチオニンやシステインという成分に変換させる効果を持っています。 ホモシステインは増えすぎると血管障害を引き起こす危険因子です。 代わってメチオニンやシステインは血中コレステロール値を調整する役割をもっているので、動脈硬化を予防し高血圧になりやすい妊婦さんをサポートしてくれます。

幸せホルモンを分泌する

葉酸を摂取するとセロトニンが分泌されるといわれています。 セロトニンは別名幸せホルモンとよばれ、精神安定の役割を担います。 ママになるプレッシャーや不安、体調不良から精神不安になりやすい妊娠期。 葉酸は心のケアもしてくれる栄養素です。

摂取量の目安は?

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日本人女性の葉酸摂取目安量は、1日あたり240μgといわれています。 妊娠初期は240μgに加え、さらに400μgの葉酸が必要です。 240μgと聞いてもピンとこないかもしれませんが、たとえば納豆1パックがおよそ60μgなので1日4パックを摂取すればよいことになります。

1食2パック以上を食するとなると、なかなか厳しいですね。 食事と合わせてサプリメントなどからも上手に摂取する必要がありそうです。

葉酸を摂取するには?

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葉酸を摂取する方法には、食べ物から摂取する方法とサプリメントを使用して摂取する方法があります。 サプリメントで摂取する方法は手軽ではありますが、それだけでは補いきれない栄養素も多いものです。 たとえばフルーツであれば、葉酸とともにポリフェノールやカリウムなど多くの栄養を摂取できますよ。

妊娠中の体重管理でお菓子を控えている妊婦さんも多いはず。 フルーツを代用すれば栄養補給もできて一石二鳥ですね。 具体的にみていきましょう。

食事から摂取

葉酸を摂取する基本は食事です。 食材別に詳しく記載しますので食事の参考にしてみてください。 ※100gあたりの葉酸量を記載しています。

野菜

野菜には葉酸が含まれるものが多いです。 ただし、葉酸は光や熱に弱い水溶性ビタミンなので調理する際には注意が必要です。

調理するときは短時間で済ますように気を付けましょう。

えだまめ:320µg そら豆:250µg モロヘイヤ:250µg 干し椎茸:240µg ほうれん草:210µg アスパラガス:190µg ブロッコリー:120µg

フルーツ

フルーツは口当たりがさっぱりとして食べやすいものが多いのが特徴です。 つわりのときにも食べやすく、後期はおやつ代わりにもなる優れモノ。 フルーツは調理することがないので、栄養をそのまま摂取できるところもポイントです。

またドライフルーツはフルーツの栄養をギュッと濃縮したものなので、栄養摂取には非常に効率的。 ただし糖分が高いため、食べすぎには注意しましょう。

ライチ:100μg イチゴ:90μg アボカド:84μg マンゴー:84μg サクランボ:38μg キウイフルーツ:36μg バナナ:26μg

その他

葉酸は野菜や果物だけでなく、肉・豆・海藻などにも多く含まれています。 中でもレバーは多く葉酸を含みますが、摂りすぎると赤ちゃんの奇形発生リスクが高まるビタミンAも同時に含まているので摂取する際には注意してください。 焼きのりも葉酸が豊富です。

おにぎりなどにすると食べやすく、効率よく摂取できますね。 また煎茶などの飲料であれば、水分補給をしながら葉酸を摂取することができます。 カフェインやタンニンが含まれていますので、こちらも摂りすぎには注意です。 ノンカフェインのものやカフェインレスのものを選ぶとよいでしょう。

鶏レバー:1,300㎍ 牛レバー:1,000㎍ 豚レバー:810㎍ 焼きのり:1,900㎍ わかめ(乾燥):440㎍ 大豆(乾燥):230㎍ 煎茶茶葉:1,300μg

サプリメント

食事だけで毎日葉酸を摂取するのは理想的ですが、なかなか難しいのが現実です。 特に妊娠初期は多くの葉酸を必要としているにも関わらず、つわりなどで料理するのも一苦労。 そんなときはサプリメントに頼りましょう。

今は葉酸だけでなく、妊婦に必要な鉄分や亜鉛など多くの栄養素が含まれるサプリメントが多く出ているものです。 自分の摂りたい栄養を考慮して、好みのサプリメントを選んでみてください。

葉酸は出産後も大切な栄養素

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出産後の身体はボロボロの状態。 細胞分裂をサポートする葉酸は、出産後の身体の回復にも機能します。 特に赤ちゃんをずっと守っていた子宮の回復には欠かせません。 また、授乳中の栄養にもバッチリです。

母乳は血液から作られるため、赤血球を生成する葉酸を摂取することで母乳の出がよくなることもあります。 また、ママが摂取した栄養は母乳を通して赤ちゃんに届けられるため、サプリメントなどを利用して積極的に葉酸を摂取したいものです。

まとめ

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葉酸の役割と効率の良い摂取方法をご紹介してきました。 葉酸は普段の生活にも良い働きをする栄養素ですが、妊娠中や出産後には特に欠かせない栄養素です。

今ではサプリメントも多く販売され、手に取りやすくなりました。 上手に葉酸を摂取して、妊娠中から出産後までイキイキと過ごしましょう!

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