子宮口が開くってどんな感じ?自分で分かるの?

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子宮口が開くってどんな感じ?自分で分かるの?

みなさんは子宮口(しきゅうこう)という言葉を聞いたことがありますか?初めての出産の方にはあまり馴染みのない言葉かもしれません。子宮口とは名前の通り、子宮の出入り口になります。子宮口は出産の時に進み具合を左右する大事なポイントの1つになります。

経産婦さんだと、医師や助産師に妊婦健診で「子宮口がまだ閉じてるね」や「指1本分開いてるね」と言われた記憶がある人も多いはず。 子宮口が出産に向けてどのように変化していくのかや、安産のためにできることについて今回はお話させていただきます。

みなさんでゆっくり赤ちゃんを迎える準備をしていきましょう。

子宮口について

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子宮の出入り口である子宮口は、妊娠中は閉じています。早産になってしまわないように普段は閉じられた状態である子宮口ですが、出産が近づくと柔らかくなって開いていきます。

出産を進めるための3つの要素【産む力・赤ちゃんとその付属物・産道】

出産の進みは様々な要因が複雑に関係しますが、大きくわけると3つの要素からなります。

陣痛の強さやママの体力が影響する産む力、赤ちゃんの回転やへその緒・胎盤の位置、そして産道の状態です。この産道の一つとして子宮口が含まれていて、子宮口を良い状態にしていくことが安産にもつながっていきます。

子宮口がひらくってどんな感じ?

「妊婦健診で医師や助産師に子宮口が開いてきてるねと言われてびっくりした」という人が多数で、それぐらい子宮口が開く感覚はほぼないようです。陣痛がはじまってから子宮口がひらいていくイメージをもっている人が多いとは思いますが、実は陣痛がはじまる前に妊娠中から自然と開くこともあるのです。

妊娠中子宮口が開く時は自分ではわからない

子宮口がひらいているかどうかは内診をしてもらうことでわかります。医師・助産師の内診では、指に当たる感覚で子宮口がどの位置にあるのか、伸びや柔らかさ、何cm開いているのかを判断しています。まだ出産が始まらないうちは子宮口の位置は高く奥のほうにあり距離があるので、そっと内診してくれます。

初めての出産の方より経産婦の方のほうが、一度伸びた分だけ今回の伸びも良くなるためか、子宮口が柔らかくなるスピードは早いと言われています。しかし、子宮口の開いてくる瞬間は初めての出産でも経産婦でもやはり感じない方がほとんどでかわりないようです。

ただし出産予定日をこえても開いていなさそうな時は、初めての出産・経産婦に関わらず、場合によっては医師が指で子宮口の中の卵膜を刺激をするため少し痛みを伴うこともあります。(正期産の妊娠37週に入り、自然と子宮口が開いてきている方であれば、基本的には自然に開いてくれるのを待ちます。)

安産のために、ママができること

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ここからは、安産のためにママが今からできることをご紹介します。初めての出産でも経産婦でも行うことは基本的には同じです。

妊娠中からお腹(子宮)をあたためる

子宮は筋肉でできています。冬の寒い時期にきゅっと筋肉がひきしまってしまうのと同じように、子宮が冷えていると子宮口も開きづらいと言われています。(ただし諸説あります)安産のためにも妊娠期全体を通してママの体は冷やさないでおきましょう。具体的には、 ・夏はお腹や首と言われるところ(手首、足首含め)は冷やさないでおく ・冬は妊婦用腹巻やタオルケット、靴下で保温する などすると良いでしょう。なかには冷え性であることを伝えると体を温める効果のある漢方を出してくれる病院もあります。一度医師に聞いてみてください。食事に関しても、温野菜は体も冷やさず野菜の甘みも増えて薄い味付けで美味しく食べられおすすめです。

座るときはあぐらをかく

赤ちゃんは重力に従って、徐々に下へさがってきてくれます。 赤ちゃんが下へさがってくるには頭をママの骨盤の中へもぐりこむ必要があります。一説では、あぐらは女性の骨盤がひらきやすく赤ちゃんが下りてきやすい体勢と言われています。赤ちゃんの頭が子宮口を刺激してくれると、柔らかくなり開いてくれやすくなるようです。ご飯を食べる時やテレビを見る時にぜひ取り入れてみてください。(出産の時にも効果的です。)

妊娠中から運動することで赤ちゃんに子宮口を刺激してもらう

これも赤ちゃんが重力に従って下へさがってきてくれることで、子宮口を刺激する目的があります。また初めての出産・経産婦に関わらずママが肥満体型であれば産道にも脂肪がついてしまい安産になりにくくなってしまうため、適度な運動は大切です。

ただし積極的に動いていくのは妊娠37週0日に入った時になります。妊娠37週0日を超えると正期産と呼ばれる時期になり、いつ出産になっても良い週数になるので積極的に動いていきましょう。

(37週までの週数の方は過度な運動が早産リスクになってしまうので、運動不足を解消する程度の短時間で終わるようにしましょう。妊婦体操やマタニティヨガなどの方がこの週数はおすすめです。)

日本臨床スポーツ医学会産婦人科部会によれば、妊娠中の運動としては、心拍数150回/分以下で自覚としては「ややきつい」以下が望ましいとされています。安全管理基準もあり『現在の妊娠が正常で、かつ既往の妊娠に早産や反復する流産がないこと』『単胎妊娠で胎児の発育に異常がみとめられないこと』『妊娠成立後にスポーツを開始する場合は、原則として妊娠12週以降で、妊娠経過に異常がないこと』とあります。(胎盤が完成する妊娠16週が良いとの意見もあります)

上記にある通り、特に初めての出産時に早産兆候があった経産婦さんは要注意です。自分に当てはまるかわからない時は必ず医師に相談してから行いましょう。

★ウォーキング…1日30分間を、1週間に3~5日実施(夏は特に水分を持ち歩きこまめに水分補給しましょう。ママが脱水になると赤ちゃんも脱水になってしまいます。) ★スクワット…足は肩幅にひろげつま先をやや外側に向けるとしやすいです。ゆっくりと腰をおろしましょう。10回×3セットを目標にします。 ※いきなり30分は大変だと思うので、まずは5~10分から慣らしてみてください。しんどくなければ徐々に上記の目標に向かって頑張りましょう。

【重要!】運動中に以下のことがあれば注意してください。

・出血してきた 少量の出血(うすピンク色やパットにちょっとつく程度)であればおしるしの可能性が高いので様子をみても大丈夫です。運動することで赤ちゃんの頭が下におりてきて卵膜(赤ちゃんを包んでいる膜)を刺激するとおしるしとなって少量の出血がつくことがよくあります。おしるし自体は出産が近づいてきている良いサインです。運動を続けてください。 明らかに真っ赤な血がでたり、500円玉ほどかそれ以上の出血があった場合は異常なサインなのですぐに病院へ連絡して診察へ行きましょう。 ※数分おきや1時間おきにトイレに行って確認する必要まではないので安心してください。

・運動を休んでる間でも、赤ちゃんの胎動を感じにくくなってきた 赤ちゃんはだいたい20分おきに寝たり起きたりのサイクルを繰り返しています。運動と運動の休憩中に30分程度たっても胎動が少なければ赤ちゃんがしんどいサインかもしれないので、運動は中止して安静にしましょう。横になって安静にしても胎動がまだ少ない場合は病院へ一度連絡をしましょう。

・破水した場合 水っぽい温かいものが流れた感覚があったり、おりものやおしるしにしてはいつもと比べて少し量が多いなと感じることがあれば、破水した可能性が高いです。破水自体は赤ちゃんの頭がさがり膜を破ってくれた良いサインですが、言い換えれば赤ちゃんがいる環境と外の環境がつながり感染のリスクも考えなければいけないため、破水を疑う場合はすぐ病院へ連絡して診察してもらいましょう。特に初めての出産の方は破水と尿の見分け方がつきにくいと思いますが、迷ったら病院へ一度連絡しましょう。

・陣痛がきた場合 運動していると多少はお腹がはるものです。お腹がはっても運動は続けてもらって大丈夫です。生理痛のような下腹部の痛みを伴うはりでも、少し休んで収まるようであればウォーキングを再開してください。運動から戻ってきて休んでいる間にはりがひく場合は前駆陣痛(陣痛の前の段階)だった可能性が高く、日常生活を続けても大丈夫です。もし、はりが引かずに10分毎に波が来続けるなら、本番の陣痛が来てくれていると思うので一度病院へ連絡しましょう。ただし経産婦の場合は出産スピードが早いため15分を切ったら一度病院に連絡することをおすすめします。

妊娠中からリラックスすることで子宮口を柔らかくする

緊張していると赤ちゃんの通り道である産道もせまくなり赤ちゃんが下がってきにくくなります。出産時はとくに陣痛もきていてリラックスしにくい環境になるため、妊娠中から自分なりのリラックス方法を習得しておきましょう。リラックスすることは赤ちゃんの下降を促すだけでなく、血液の巡りを良くして体を温めることにも繋がり、安産のために大切です。人によってリラックスする環境は様々だと思います。好きな音楽をかけるのもよし、趣味の時間をとるのもよし、マタニティヨガをしたりアロマをたいたりするのも良いでしょう。

★マタニティヨガ…脚の曲げ伸ばしのポーズで血流が改善しむくみの解消にもつながります。お腹を下から支える筋肉を強化するポーズは腰痛の予防になったり、力を抜く呼吸法に慣れておくことで出産時にも冷静に呼吸法やいきみ逃しが行えるようになります。初めての出産の方は特に長い時間陣痛を乗り越えるために呼吸法を行えるかが安産のかぎとなります。

★アロマ…好きな香りを楽しむと心地良いという感情が生まれます。香りの情報が脳の大脳辺縁系・視床下部という部分に伝わり機能が整えられることでリラックス効果が得られます。日本アロマ環境協会(AEJA)では、妊娠中に芳香浴法を楽しむことは問題ないとしています。妊娠中はホルモンのバランスが通常と異なるため皮膚のコンディションも異なることがあります。皮膚に触れる使い方よりはディフューザーを使用したりティッシュに精油を1~2滴垂らして近くに置いたりして楽しむほうが良いでしょう。『オレンジ・スイート』、『イランイラン』、『リトセア』、『ラベンダー』は鎮静・抗不安・リラックス効果が強いアロマだと言われており妊娠中・出産時におすすめです。 バースプランにも「音楽をかけたい」「アロマをたきたい」など記入しておくと、助産師が出産中可能な限りその環境に整えてくれます。(経産婦の方は、特に初めての出産の時の経験をいかして、出産の時にやって良かったことややりたかったこと等をぜひバースプランに書いてみてください。)

妊娠中から自分がリラックスできるきっかけを知っておくことで、いざ陣痛が来た時にも落ち着いて過ごすことができ、安産につながります。

まとめ

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実際のところこれをしたら確実に子宮口が開いてくるという方法はありません。初めての出産・経産婦に関わらず、何日間かかけて開いてくることも多々あります。子宮口が固めと言われても出産までに開いてくれるなら大丈夫です。焦らず安産のためにできることからはじめていきましょう。

出産後の子宮口について… ここからは余談になりますが、実は子宮頸癌(しきゅうけいがん)検診の時に見ているのも、この子宮口になります。日本では妊娠初期に必ず初期検査の一部として子宮頸癌の検査も行っています。検診では子宮口の少し内部を柔らかいブラシで2~3秒こすって小さな小さな細胞をとるのですが、この2~3秒の検査が私たちの命を救うことになるのです。

子宮頸癌の原因となるウイルスは、性交渉の経験がある女性であれば50%以上が一生で1度は感染すると言われている一般的な種類のウイルスです。(なので妊娠した人は全員対象になっています)そのウイルスが頸癌になりやすいタイプかどうかや、その時の女性の体調・免疫力によって癌になりかけたりならなかったりします。そして子宮頸部の状態は数カ月で少しずつ変化します。そのため妊婦健診で異常なしと言われていたとしても、その結果は数年後には全く意味を持たなくなってしまうのです。

子宮頸癌は無症状で有名です。だからこそ、様々な国が女性に検診を勧めています。日本の厚生労働省では2年に1回は検診に行くことを勧めていて、金額まで負担してくれています。(クーポン券は通常20歳、22歳…と偶数の年齢の人に市役所から送られるようですが、万が一届かない場合は市役所に電話すれば発行してもらえます)市町村によって異なる場合もありますが、クーポン券を利用すると約5500円する検診も1500円程度になります。命を助けてくれるこのクーポン券を使わない手はないですよね。しかも子宮頸癌は20~30代から増加し40代がピークと言われており、ちょうど私たちの世代が当てはまります。なによりも、このお腹の子の成長を見守っていくためにも自分の子宮を大切にして、初めての出産の方も経産婦の方も出産後1~2年たった頃には婦人科外来へ検診に行きましょう。

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