出産が怖い?帝王切開・会陰切開の痛みっていつまで続く?

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出産が怖い?帝王切開・会陰切開の痛みっていつまで続く?

出産が怖い?帝王切開・会陰切開の痛みっていつまで続く?

愛する我が子に会えるのはとっても楽しみ。 でも出産には不安がつきまといますよね。 痛みに弱い方は特に、出産に対して怖くてたまらない気持ちがわくのではないでしょうか。

陣痛はもちろん、帝王切開や会陰切開の痛みがどんなものなのか、どのくらい続くのかも気になりますよね。 今回はとくに帝王切開と会陰切開に注目して、産後の痛みの乗り越え方をご紹介します!

出産にまつわる痛み<陣痛・帝王切開・会陰切開・後陣痛>

0009_2.jpg 出産にまつわる痛みとして誰もが思い出すのは陣痛ですね。 しかし陣痛だけではなく、帝王切開の痛みや会陰切開の痛みに不安を感じる方も多いはず。 ここでは、それぞれの痛みについて解説します。

陣痛の痛み

赤ちゃんを産道から出すために、子宮が収縮し子宮口を広げるのが陣痛です。 「耐えられるくらいの生理痛」というような、痛いけれど我慢はできる程度から始まり、だんだん強い痛みに変わっていきます。 痛みが強くなると、1時間に6回以上(10分間隔)となり、分娩が開始された合図です。 いうなれば「気絶するほどの痛み」です。

ハンマーでお腹を殴られているような痛みだったり、重いものに体を押しつぶされているような痛みだったりと感じ方は人それぞれです。 子宮口が全開大(赤ちゃんの頭が通れる目安の10cm)になるまで、人によってはまるまる24時間以上も耐えなければいけません。

会陰切開の痛み

子宮口が全開大になり、赤ちゃんが回転しながら出てくればいよいよ出産です。 膣から直径約10cmの赤ちゃんの頭が出てくるのですから出産が「鼻からスイカを出す痛み」と例えられるのも納得ですよね。 会陰は膣と肛門の間の部分のこと。

子宮口のように伸び縮みする場所ではないため、赤ちゃんの頭が出てくる際に裂けてしまうことがあります。 自然に裂けてしまうと治りが遅くなってしまうため、あらかじめ会陰に切り込みを入れる医療行為のことを「会陰切開」と言います。 赤ちゃんの頭がつかえて出産の時間が長引いてしまうこともあるため、積極的に切る産院が多いようです。 会陰切開を行う際、ほとんどは麻酔なしで切開をします。 麻酔なしと聞くと、とても痛そうですよね。

しかし陣痛の痛みのほうが遥かに大きく、実際には「切られたことに気づかなかった」「いつの間に!?」という経産婦さんがほとんどです。 会陰切開の痛みが出るのは、切った直後ではなく、時間が経ってからです。 出産が終わって一息ついて、縫合するときに痛みを感じる方が多いようです。

帝王切開の痛み

帝王切開は、妊娠中や分娩進行中に赤ちゃんの元気がなくなるなどの緊急時に、開腹手術で赤ちゃんを取り出す出産方法です。 帝王切開は局所麻酔で行われることが多いです。

局所麻酔は腰に注射をしたり(脊髄麻酔)、細いチューブを入れたり(硬膜外麻酔)するもので、胸から下の痛みがなくなる麻酔です。 意識はあるため、手術中も周りの様子がわかるんですよ。

赤ちゃんが生まれた直後も、しっかり自分の目で確認できます。 麻酔をしているため、手術中に痛みはまったく感じません。 麻酔が切れてくる頃に、痛みが出始めます。

後陣痛の痛み

後陣痛(こうじんつう)とは、赤ちゃんを出産した後に子宮が元の大きさに戻ろうと収縮することで起こる痛みです。 子宮を収縮させることで、止血する役割があります。

出産後に子宮が収縮し元の大きさに戻ろうとすることを「子宮復古」といい、産後6週~8週かけて妊娠前の状態に戻っていきます。 後陣痛は帝王切開でも自然分娩でも、出産方法に関係なく感じる痛みなんですよ。

初産婦に比べると経産婦の方が子宮収縮の痛みを感じやすいともいわれています。 授乳の時に出るオキシトシンというホルモンが子宮の回復を促すために、授乳時にお腹の痛みを感じる方も多いようです。 子宮収縮の痛みは産後の体が回復している証拠です。 痛みのピークは3、4日程度です。

会陰切開や帝王切開の痛みはいつまで?対処法は?

0009_3.jpg 「会陰切開も帝王切開もできれば避けたい」「痛い思いはなるべくしたくない」そんなふうに思う方も多いでしょう。 しかし、会陰切開も帝王切開も必要性があるからこそ行われる医療行為です。 医師の判断で必要と言われたときは指示に従いましょう。

とはいえ、痛みがいつまで続くのか、どんなふうに乗り越えたらいいのか不安もありますよね。 痛みの経過や対処法をご紹介します。

会陰切開の痛みのピークは出産後の1週間

会陰切開をした場合、出産後すぐに縫合を行います。 最近は抜糸の必要のないとける糸を使用する産院が多いようです。 抜糸が必要な場合には、退院の前日に行う場合が多いようですよ。

会陰部は血管が多いため、もともと傷口が塞がりやすい場所です。 縫合してから1〜2日あれば皮膚はくっついてしまいます。

回復の早さは個人差がありますが、退院する1週間前後には強い痛みは落ち着き、産後の1ヶ月検診を迎えるころにはほとんど痛みがなくなっているようです。 一ヶ月で傷の治りを診てもらえるので、もし痛みや腫れなどがある場合は医師に相談してみましょう。

完全に閉じる前でも、排尿や排便に差し支えることはありません。 「力んだら裂けてしまうかも」と不安に思う方も多いようですが、簡単に傷が開くことはないので安心してくださいね。

普通の経過を辿らず強烈な傷の痛みを伴う場合は、「産後の血腫」の恐れがあります。 出産でできた膣や外陰の傷、会陰切開の縫合部分、膣壁や外陰部の皮膚や粘膜のポケットのような部分に血液が溜まり腫れている状態をいいます。 痛みや腫れが強い場合は早めに医師や看護師、助産師に相談しましょう。

会陰切開の痛みの対処法

会陰切開の痛みには、痛み止めが有効です。 我慢せずに薬に頼りましょう。 母乳育児をしている場合でも、赤ちゃんに影響のない痛み止めを出してもらえますよ。 痛みが強く、座るのが辛い場合もあるので、出産前に円座クッションを用意しておくと便利です。

帝王切開の痛みのピークは出産後の1週間

帝王切開は、麻酔をして手術を行うため、麻酔が切れたころに痛みを感じ始めます。 強い痛みは手術当日から3日間ほど。 1週間ほどでだんだん落ち着いていきます。

多くの産院では帝王切開の場合、普通分娩より長く、10〜2週間ほどの期間入院するのが一般的です。 退院するころには痛みはだいぶ軽くなるでしょう。

帝王切開による傷は、術後3日程度で閉じていきますが、皮膚の下で炎症は続いています。 退院後もおなかに力を入れた時やくしゃみをした時に傷が痛む方もいます。

その後の経過は、人によって傷口が大きく残る場合があり、個人差が大きいと言えるでしょう。傷口にかゆみを感じたり、天気の悪い日に痛みを感じたり、数年経ってもマイナートラブルとして不快感が残る場合があります。 帝王切開の傷の痛みがいつまで続くのかは個人差がありますが、傷自体の痛みはせいぜい1ヶ月程度と覚えておいてくださいね。

帝王切開の痛みの対処法

帝王切開の痛みには、会陰切開と同様に痛み止めが有効です。 硬膜外麻酔を使用している場合には、手術後も背中にチューブが入ったままで、そこから痛み止めを入れることで痛みを軽減できます。 脊髄麻酔の場合でも、座薬や鎮痛剤を処方してもらえるので、無理なくお薬にたよりましょう。

帝王切開はお腹を切っているため、お腹に力を入れるとすごく痛みます。 咳やくしゃみ、また笑ったときなどにひどい痛みに襲われます。 痛みのピークとなる出産後の1週間はとくに、咳やくしゃみが出ないよう乾燥に気をつけるといいでしょう。

ベッドから起き上がったり、赤ちゃんを抱き上げるときも腹筋を使うため、痛みが出やすくなります。 ベッドの昇降機能やリクライニング機能を活用して、なるべく負担なく動けるようにしてみてくださいね! 帝王切開では、傷口の痛みに加えて後陣痛の子宮収縮の痛みが加わり、体力を消耗します。 普通分娩であれば2〜3ヶ月ほどで筋トレを始めるなど普通の生活に戻って良いとされていますが、帝王切開の場合は回復までもう少し時間がかかります。 少なくとも3ヶ月は体に負担のかからない生活を心がけましょう。

会陰切開や帝王切開の傷をきれいに治すには?

会陰切開も帝王切開も普通に暮らしていればそれほど大きなトラブルになることはないでしょう。 きれいに傷を治すための注意点をまとめました。

会陰切開

● 傷口を清潔に保つ。 ● 安静にし、傷に負荷がかかる動きをしない

細菌などに感染するとトラブルの原因になるので、トイレのあとは清浄綿などで拭き清潔にしておきましょう。 ただし、清潔にするためとゴシゴシこすって洗うのはNGです。 手につけた泡でやさしく包むように洗いましょう。 また、座ったり、立ったりを繰り返すと傷口も動いて炎症の元になります。 傷が痛むうちはなるべく安静を心がけましょう。 帝王切開 ● 傷口の皮膚が赤くなりもりあがる(ケロイド状)のを防ぐため、保護テープを貼る ● クリームで傷口を保湿する ● お腹に負担のかからない体勢をとる

目立たないくらい傷跡が薄くなる人もいますが、体質によってはケロイド状の痕が残ってしまう場合もあります。 きれいに傷を直したい場合は、保護テープを貼って、摩擦などの刺激から傷口を守るようにしましょう。 テープを貼ることで痛みの緩和にも繋がりますよ。

それでも傷口がケロイド状になってしまい気になる場合には、形成外科や皮膚科で診てもらいましょう。 傷口をきれいにする治療が行える場合もあります。

まとめ

出産が近づくと、早く赤ちゃんに会いたい気持ちが募る一方で、不安が出てきますよね。 特に痛みに弱い方は、身構えてしまうのではないでしょうか。

出産に痛みはつきものです。 ある程度痛みがあるのは仕方ないとしても、経験したことのない痛みを思うとかなりのストレスを感じるでしょう。 出産にストレスは大敵です!

どんな痛みなのか、どれくらい続くのかを知って、少しでも安心して出産に臨んでいただければと思います。 現在は和痛分娩、無痛分娩などの選択肢も広がって来ています。

出産の身体的負担や痛みの負担が少ないほど、そのあとの育児にパワーを注げると思います。 痛みをうまく緩和して、楽しい育児ができますように!

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