誰にも聞けない!妊娠中や産後の尿もれにドキドキしてる方へ

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誰にも聞けない!妊娠中や産後の尿もれにドキドキしてる方へ

誰にも聞けない!妊娠中や産後の尿もれにドキドキしてる方へ

妊娠中から産後にかけて様々な体の変化が起こります。 その中で、経験者は多いのに人には話にくいマイナートラブルがあります。 それは尿もれです。

くしゃみや咳をした時や赤ちゃんを抱き上げた時など、ふとした時に「じわっ」と出てしまいヒヤッとしたという経験を持つママはとても多いのです。 人には打ち明けにくい悩みのため、ひとりで悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は妊娠中や産後の尿もれに悩んでいる方に向けて、尿もれのメカニズムと対処法をお伝えします!

妊娠中〜産後にかけて起こるマイナートラブル

0011_2.jpg 妊娠中の女性は、体の中で命を育むためにこれまでに経験したことのないようなマイナートラブルを起こします。 妊娠による体の変化からくる不快な症状をマイナートラブルと呼びます。 病気や合併症ではないものの、妊娠前にはなかった体の変化に苦しむママも少なくありません。 マイナートラブルの例を挙げると、

● 食欲の低下 ● 嘔吐 ● 吐き気 ● 肩こり ● 腰痛 ● 便秘 ● 排便しにくい ● だるい ● 疲れやすい ● 強い眠気を感じる ● 動機やめまい ● 肌の乾燥 ● トイレが近くなる ● 尿もれ とこのようにたくさんあります。

マイナートラブルの多くは妊娠週数の経過によって自然に落ち着いたり、出産によりなくなる場合がほとんどです。 しかし、中には出産したあとも引き続き悩まされる場合の多いマイナートラブルがあります。 それが尿もれです。

出産経験のある女性の3人に1人は尿もれをしたことがあると言われています。 かなり多くの人が尿もれを経験しているんですね。

尿もれにも種類がある?

実は尿もれには3つのタイプがあります。 尿もれは医学的には「失禁」と呼びます。

● 腹圧性尿失禁:咳やくしゃみをしたとき、重い物を持ったとき、運動をしたときなどに尿もれする。 ● 切迫性尿失禁…急に尿意をもよおして、間に合わずに尿もれしてしまう。 ● 混合性尿失禁…上の2つが両方起きる。

妊娠中や産後ママに特に多いのは腹圧性尿失禁です。

経験者に聞いた!どんなときに尿もれしたの?

実際、産後のママにどんなときに尿もれをしたのか体験談を聞いてみると……

● くしゃみをしたとき ● 子どもを抱き上げたとき ● 子供と縄跳びをしていて ● お米を持ち上げようとして ● 風邪を引いて咳をしたとき ● 椅子から立ち上がったとき ● ふたり目妊娠中、つわりで嘔吐したとき ● 以前は我慢できていたのに、いきなり尿意が現れて間に合わなくなってしまう ● トイレが近くなり、間に合わないことが増えた

このように、多くのママがお腹に力を入れたことで尿もれをしてしまうという場面が多いようです。

尿もれのメカニズム

0011_3.jpg 多くの方が尿もれを経験していることがわかりましたが、尿もれはどのようなメカニズムで起こるものなのでしょうか。 妊娠中と産後に分けて、尿もれのメカニズムをご紹介します。

妊娠中の尿もれのメカニズム

妊娠中の女性が尿もれしてしまうのは、赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなり、膀胱を圧迫してしまうためです。 くしゃみや咳をする、椅子から立ち上がるなどの動作によってお腹に力が入ると膀胱が刺激されて尿もれに繋がります。 赤ちゃんが動いて膀胱が刺激されることでも尿もれは起きやすくなるんですよ。

胎動を感じて嬉しい反面、「尿もれが起こりやすくなってつらい」という経験を持つママも多いんです。 妊娠中は膀胱の収縮力そのものも低下します。

膀胱の収縮力が低下すると、おしっこをするときにお腹に力を入れることになり、尿もれを誘発しやすくなることも。 妊娠中の尿もれは物理的に膀胱が圧迫されることと、膀胱の機能低下によって引き起こされるんですね。

妊娠中の尿漏れにはこのような特徴があるため、子宮が大きくなる妊娠中期から妊娠後期にかけて起こりやすくなるんですよ。

出産後の尿もれのメカニズム

妊娠中に尿もれを経験し「出産したら尿もれは終わる」と思っている方もいるかも知れません。 妊娠中のマイナートラブルの多くは、出産してしまえば解消されるものが多いためです。

しかし実際には多くの方が出産した後も尿もれに悩んでいますよね。 出産するとき、膣(産道)や骨盤底筋は大きなダメージを負います。

産後の尿もれは出産時に骨盤底筋がダメージを受けたりゆるんだりして、子宮や膀胱を支える力が低下することが原因とされています。 骨盤底筋は、ハンモックのように子宮や膀胱などを支える筋肉で、おならを我慢するときやおしっこを我慢するときに動きます。

普段は尿道の入り口が開かないよう調整しているのですが、骨盤底筋が出産により緩んでしまうことにより、尿道が開きやすくなってしまいます。 そのために尿もれが起こりやすくなってしまうんですよ。

尿もれとの上手な付き合い方!セルフケアで改善しよう

0011_4.jpg これまで見てきたように、尿もれは避けられないマイナートラブルといえます。しかし、適切なセルフケアを行うことで、ある程度改善や予防ができるため、過度に不安に思う必要はないんですよ! ここからは、上手な尿もれとの付き合い方を妊娠中・出産後に分けて紹介していきます。

尿もれを防ぐセルフケア<妊娠中>

膀胱が圧迫されることで起こりやすい妊娠中の尿もれ。 尿もれを防ぐには

  1. 自然なおしっこをすること
  2. こまめに水分を摂ること
  3. 体を冷やさないこと
  4. 骨盤底筋を鍛えるトレーニングをすること が大切です。

①自然なおしっこをする 妊娠中に大切なのは、自然なおしっこをすることです。 膀胱の収縮力が低下し、お腹に力を入れて出す「いきむおしっこ」がくせになると尿もれを起こしやすくなります。 力を入れず自然に尿を出すために、尿意を感じたらすぐにトイレに行くようにしましょう。 尿意はあってもトイレに行ってみたら「そんなに出なかった」ということも多いのが妊娠中の現実です。 膀胱が圧迫されるため、ちょっとしか尿が溜まっていないのに尿意を感じるのは当たり前。 量が少なかったとしても、めんどくさがらずにこまめに行ってくださいね。 尿もれを防げますし、膀胱炎も防げますよ!

②こまめに水分を摂る 妊娠中はトイレが近くなるため、めんどくさがって水分を控えてしまう方も。 しかしそれは間違いです! 赤ちゃんを守る羊水を作るためにも水分は必要ですし、妊娠すると血液量が妊娠前の約1.5倍になると言われています。 新陳代謝も活発になり、汗もかきやすくなります。 それなのに水分摂取を怠ったらどうなるでしょうか? 血液の流れが悪くなり、赤ちゃんに届ける栄養にも影響が出てきます。 妊娠中は意識して水分を摂ることを心がけましょう! その際に大切なのは一気飲みしないことです。 大量の水分を一気にとることで体を冷やしてしまうことがあります。 水分はこまめに少しずつ、を心がけてくださいね!

③体を冷やさない 「妊娠中は体を冷やしてはいけない」とよく言いますよね。 妊婦さんの体が冷えると子宮の筋肉も冷えてしまいます。 スムーズな出産のためのよい陣痛が起こりにくくなって難産につながるためと言われています。 さらに、妊娠中の冷えは尿もれしやすい原因にもなるんですよ。 体を冷やすと、交感神経が活発になり、血管が縮まります。 その結果膀胱まで縮まって、正常に機能しなくなります。 冷たい飲み物を避けたり、シャワー浴ではなくしっかりお湯に浸かるなど体を冷やさない工夫をすることで、尿もれを予防しましょう。

④骨盤底筋を鍛えるトレーニング 妊娠中はホルモンにより骨盤底筋が緩んだ状態です。 体操で引き締めることで尿漏れを予防できます。 とは言っても、妊娠中ですから無理は禁物ですよ! 一般的な骨盤底筋を引き締める体操をすると、お腹に力が入りすぎてしまうこともあり、早産にもつながるので危険! そこでおすすめなのが寝たままできる簡単な体操「ケーゲル体操」です。 体操中にお腹が張ってしまったり痛みを感じたりするようなときは、無理せず休んでくださいね。 やり方をご紹介します。

  1. 仰向けに寝転がり、膝を立てて肩幅に足を開く
  2. 肛門、膣、尿道の順番でキュッと力を入れる
  3. そのまま3〜5秒キープする
  4. ゆっくりと力を抜く これを5~10回を目安に行います。 とても簡単な体操ですが、続けることで骨盤底筋が鍛えられ、尿漏れ予防につながりますよ。 また、もっと手軽に骨盤底筋を鍛えられるのが「お手洗いで用を足すたびに途中で止める」という方法。 無理なく続けられる方法で、トライしてみてくださいね!

尿もれを防ぐセルフケア<出産後>

出産後の尿もれは、約1年ほどで治っていくのが一般的です。 妊娠・出産でダメージを負った体が回復するのに伴い、弱った膀胱や骨盤底筋も回復していくためです。 しかし、自然に治るのを待つより、できれば早く尿もれとさよならしたいと思う方も多いはず。 出産後の過ごし方次第で、尿もれは予防、改善できますよ! そのポイントは ● できるだけ安静にする ● 出産後すぐのガードルは避ける ● 骨盤底筋トレーニングをする の3つです。

①できるだけ安静に 出産でダメージを受けた骨盤底筋は、自然に回復していきます。 順調にいけば出産後1〜3ヵ月ほどで回復するとされています。 順調に回復するためには、体を休ませることが一番です。 産褥期といわれる産後4週間はできるだけ横になって休み、重い荷物を持つことは避けてくださいね。 この時期に無理をすると、後にひびくので気をつけましょう。

②出産後すぐのガードルは避ける 「妊娠中にたるんでしまったお腹を少しでも早く直したい」「産後少しでも早く、お腹を引っ込めたい」と思うママも多いですよね。 しかし産後すぐにガードルをつけることはおすすめしません。 なぜなら、子宮や膀胱を下に下げてしまい、骨盤底筋や靭帯に負担をかけることになるからです。 骨盤底筋や靭帯の回復が遅れることは、長引く原因にもなりかねませんよね。 出産後4週間以上は、ガードルをつけることを避け、体を休ませることに専念した方がいいでしょう。

③骨盤底筋トレーニングをする 妊娠中と同じく、出産後も骨盤底筋トレーニングは尿もれの予防に有効です。 出産後は体の回復することを優先し、無理なく行ってくださいね。 骨盤底筋トレーニングを開始する時期は、出産で傷ついた会陰の痛みが治まる時期が目処です。 個人差はありますが、早い人で1週間程度、遅くとも1ヵ月経つ頃には始められると思います。 出産後も、さきほどお伝えした「ケーゲル体操」を行います。1日2回からスタートし、慣れて余裕が出てきたら、立っているとき、椅子に座っているときなどにも意識して行うといいでしょう。 また、咳やくしゃみが出る時に意識して骨盤底筋を締めてみましょう。 毎日コツコツ続けることが大切ですよ。

尿もれの注意点

0011_5.jpg 尿もれはよくあるマイナートラブルですが、注意が必要な場合があります。 とくに妊娠中の尿もれは破水と間違えてしまうことがあるため要注意です。

見分けるポイントは ● 色(尿は黄色、破水は透明~白っぽい) ● 匂い(尿はアンモニア臭、破水はほとんど匂いがない) ● 自分の意思で止められるかどうが の3つです。 破水している場合はすぐに病院に連絡して指示を仰いでくださいね!

また、産後の尿もれは、ほとんどが一時的なものであるため、次第に回復していきます。 骨盤底筋が順調に戻っていけば、産後3~4ヶ月程度でなくなるのが普通です。

それ以上尿もれが続いている場合は、出産の影響だけでなく、加齢や子宮下垂、体重増加などが要因となっている場合もあります。 あまりに尿もれが長引く場合は「産後だから」と決めつけずに医師に相談をしましょう。

まとめ

妊娠中・産後の尿もれについて、予防や対処法をご紹介しました! 妊娠が進んでいくうちに尿もれに悩まされたり、産後に尿もれが続いて困るのはよくあること。 しかし、予防次第でうまく対処していけば、妊娠中も産後もより快適に過ごせるのではないでしょうか。 妊娠中や産後の尿もれを不安に思わず、うまく乗り越えて行きましょう。

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