出産予定日を過ぎても陣痛がこないと不安になるものです。周囲からの言葉が気になったり、出産の兆候がないことに焦りを感じたりすることもあるでしょう。予定日を過ぎて生まれる赤ちゃんもいるため、まずは予定日超過について正しく知ることが大切です。
予定日超過が何日まで大丈夫なのか、正期産と過期産の違い、陣痛がこない原因、健診で行われる検査や誘発分娩の流れを解説。陣痛を待つ間の過ごし方や、焦りやストレスを感じたときの心の整え方についてもご紹介します。
出産予定日超過は何日まで大丈夫?正期産と過期産の基礎知識
出産予定日を過ぎたときに知っておきたいのが、正期産と過期産の違いです。医学的な区切りや、予定日を過ぎた後の経過観察、医療的な対応について整理します。
出産予定日はあくまで目安!妊娠41週6日までは正期産
最終月経開始日の280日後にあたる、妊娠40週0日が出産予定日となります。(※1)(※2)ただし、予定日ちょうどに生まれる赤ちゃんは多くありません。
妊娠37週0日から41週6日までの出産は正期産(※3)にあたり、予定日を約2週間ほど過ぎても正常な範囲とされています。 厚生労働省の人口動態調査でも、妊娠40週以降に生まれた赤ちゃんは全体の約3割を占めています。(※4)
(※1)参照:「日本産科婦人科学会」
(※2)参照:「国立成育医療研究センター」
(※3)参照:「日本産科婦人科学会」
(※4)参照:「厚生労働省」
妊娠42週以降の過期産とは?母体と赤ちゃんへの影響
妊娠42週0日以降の出産は過期産と呼ばれます。(※1) 過期産には胎盤の機能が低下したり、羊水が減少したりする場合があり、赤ちゃんの状態に注意が必要です。
母体側では、赤ちゃんが大きくなることで分娩に時間がかかったり、産後の出血が増えたりする場合もあります。日本では42週を迎える前に出産となるよう管理されることが多く、過期産は全体の1%未満とされています。(※2)
(※1)参照:「国立成育医療研究センター」
(※2)参照:「厚生労働省」
予定日超過は何日まで待てる?経過観察と入院の目安
妊娠40週台では、健診の間隔を短くしながら赤ちゃんや母体の状態を確認することも。 妊娠41週に入ると、自然な陣痛を待つか分娩誘発するかなど、今後の方針を医師と相談します。 羊水量や赤ちゃんの状態によっては、41週より前に入院して管理するケースもあります。
予定日を過ぎても陣痛がこない原因とは?
陣痛がこない理由はひとつではなく、体の準備の進み具合や予定日そのもののずれが関わります。よく心配される話題とあわせて、考えられる原因を見ていきます。
予定日超過は子宮口の状態や予定日の計算のずれなどが関係する
陣痛が始まる前には、子宮口が柔らかくなり開きやすくなる「熟化」が進みます。熟化の進み方には個人差があるため、予定日を過ぎても陣痛が始まらない場合があります。また、生理周期が長い人や排卵が遅かった人では、予定日の計算に数日のずれが生じることもあります。
妊娠40週を過ぎても出産の兆候が見られないときは、妊娠初期に撮影した超音波写真をもとに、週数が見直されることもあります。 妊娠8週頃は赤ちゃんの発育の差が小さく、週数を確認する目安になるためです。(※)
(※)参照:「国立成育医療研究センター」
初産婦でも経産婦でも予定日を超過することがある
初産婦さんは、経産婦さんに比べて子宮口の熟化に時間がかかる傾向があり、予定日を超えるケースもあります。 (※)
一方で、経産婦さんも予定日前に出産になるとは限りません。「上の子は予定日前だったけれど、今回は予定日を過ぎた」というケースもあります。前回の出産時期だけで、今回の出産時期を予測することは難しいものです。
(※)参照:「国立成育医療研究センター」
予定日超過で生まれる気配がないときの診察と医療処置
生まれる気配がない時期は、赤ちゃんが元気かどうかを確かめる検査が増えます。健診でのチェックから入院後の処置まで流れをつかんでおくと、落ち着いて臨めます。
健診で行うノンストレステスト(NST)と羊水量のチェック
ノンストレステスト(NST)は、おなかにセンサーを装着し、赤ちゃんの心拍と胎動などを20分〜40分ほど記録する検査です。 心拍の変化から、赤ちゃんの状態を確認します。
あわせて羊水量や赤ちゃんの状態、胎盤の状態も確認。(※)検査の頻度は、妊婦さんや赤ちゃんの状態、産院の方針によって異なります。
(※)参照:「国立成育医療研究センター」
子宮口の状態を確認する内診と卵膜剥離(らんまくはくり)
内診では、子宮口の柔らかさ、開き具合、赤ちゃんの下がり具合を確認します。 陣痛が自然に起こるのを待つか誘発分娩に進むかなど、その後の方針を検討します。
卵膜剥離(らんまくはくり)は、内診の際に卵膜の一部をはがす処置です。陣痛が始まるきっかけになる場合がありますが、痛みや少量の出血を伴う場合があります。卵膜剥離するかどうかは、妊娠週数や子宮口の状態を踏まえて判断されます。
入院して行う誘発分娩の流れとバルーンや陣痛促進剤
誘発分娩は、子宮口の熟化を進める処置から始まります。 子宮口が開いていない場合はラミナリア桿、開いている場合はバルーン(メトロイリンテル)を使い、子宮口を広げます。その後、陣痛促進剤を点滴で使って陣痛を起こします。(※)1日で出産に至らないこともあり、数日かけて段階的に進められます。
(※)参照:「国立成育医療研究センター」
予定日超過で帝王切開が必要になるケース
予定日を過ぎたことだけを理由に、帝王切開するわけではありません。 誘発分娩をしても分娩が進まない場合や、NSTで心拍に異常が見られたときなどは、帝王切開が検討されることがあります。 (※)羊水が大きく減っているときにも帝王切開の判断になる場合があります。
(※)参照:「国立成育医療研究センター」
予定日超過中の過ごし方と陣痛を待つ間にできること
待つ時間は長く感じられますが、過ごし方しだいで気持ちは変わります。体を動かす、赤ちゃんとの時間を大切にするなど、無理のない範囲でできることをまとめました。
医師に相談しながら行うウォーキングなどの軽い運動
体調に問題がなければ、ウォーキングなどの軽い運動も良い気分転換になります。 ウォーキングといった有酸索運動は、週に2日~3日、60分以内が目安とされているため、長時間にならないよう調整しましょう。(※) ただし、ウォーキングや階段の上り下り、スクワットが陣痛を起こしやすくするとは限りません。おなかの張りや体調の変化に注意し、始める前に医師や助産師へ確認しておきましょう。
一人での外出中に破水や体調不良などが起きると対応が難しくなる場合も。ウォーキングはできるだけパパや家族と一緒に行きましょう。
(※)参照:「日本臨床スポーツ医学会産婦人科部会」
陣痛を起こすジンクスを試す
昔から語られる「陣痛ジンクス」には 効果を裏付ける医学的な根拠はありませんが、気分転換として楽しむ妊婦さんもいます。 口にするものや体を動かす方法は事前に医師や助産師へ確認しましょう。
<主な陣痛ジンクス>
- 焼肉やカレーなど、特定のメニューを食べる
- パイナップルを食べる
- ラズベリーリーフティーを飲む
- 雑巾がけをする
- 階段を上り下りする
- スクワットする
好きなことを楽しみながら普段通りゆっくり過ごす
出産後は生活リズムが変わり、これまでと同じように自分の時間を取るのが難しくなることもあります。 映画を観る、好きなものを食べる、家族とゆっくり過ごすなど、今のうちに楽しんでおくのもおすすめです。
睡眠や休息も意識しながら、陣痛を待つ時間をできるだけゆったり過ごしましょう。
赤ちゃんとの時間を楽しみながら出産前の準備をする
おなかの赤ちゃんに話しかけたり、マタニティフォトを撮ったりするのも、出産前ならではの過ごし方。
ベビー用品の置き場所を決める、入院バッグの中身を確認するなど、出産に向けた準備を進めると良いでしょう。産後に必要なものを整理したり、家族で退院後の生活について話したりする時間にするのもおすすめです。
予定日超過中の外出で気をつけたいこと
予定日を過ぎた時期は、いつ陣痛や破水が始まるか気になるものです。外出する際は、持ち物や行き先、移動手段をあらかじめ確認しておくと急な変化にも対応しやすくなります。
急な破水や陣痛に備えた外出時の持ち物
短時間の外出でも、次のものを持っておくと安心して過ごせます。
- 母子健康手帳
- 健康保険証、診察券
- 大きめのナプキン、タオル、替えの下着
- スマートフォン、モバイルバッテリー
- 現金
産院や家族の連絡先をすぐ確認できるようにしておくと、急な連絡が必要になったときにもスムーズです。
遠出を避けて一人での外出を控える
予定日を過ぎた時期の外出は、産院までの距離や移動時間、体調などを考えて行き先を決めましょう。 長時間の移動や旅行などは、急に陣痛や破水が起きた場合の対応が難しくなるため、産院の指示を確認しておきましょう。
一人で出かける場合は、行き先や帰宅予定を家族に伝えておくと、急な連絡が必要になった際にも対応してもらいやすくなります。
外出先からの移動手段やタクシー会社を確認しておく
予定日を過ぎた時期は、外出先から産院へ移動することになった場合に備えて、 家族の送迎やタクシーなど、利用できる移動手段を確認しておきましょう。 陣痛タクシーを利用する場合は、事前登録が必要なサービスもあるため、利用方法や対応エリアを確認しておくのが大切です。
外出先から産院までのルートや所要時間もあらかじめ確認しておくと、急な移動が必要になったときにも対応しやすくなります。
予定日超過で焦りやストレスを感じたときの心の整え方
予定日を過ぎると「いつ生まれるのだろう」と気になり、落ち着かないこともあります。周囲からの連絡やSNSなどに疲れたときは、距離を置いたり家族に頼ったりしながら、自分のペースで過ごしましょう。
周囲からの「まだ生まれないの?」という連絡への対応
悪気のない言葉でも何度も聞かれると負担に感じることがあります。 「生まれたらこちらから連絡しますね」とあらかじめ伝えておくのもひとつの方法です。
通知を一時的にオフにしたり返信をパパに任せたりするなど、連絡の負担を減らす工夫もできます。無理に明るく返そうとせず、自分の気持ちを優先しましょう。
出産がいつになるかを考えすぎないための気持ちの切り替え方
予定日を過ぎると出産のタイミングが気になり、メンタルの負担が大きくなることもあります。SNSの出産報告を見てつらくなるときは、一時的に距離を置くのもひとつの方法です。
眠れない、気分が落ち込むなどの状態が続く場合は、次の健診を待たずに産院へ相談することも検討しましょう。 気持ちの変化も健診の際に伝えておくと安心です。
パパや家族に伝えておきたいサポートやお願いごと
陣痛や破水があったときにスムーズに動けるよう、 パパとは勤務中の連絡方法や、家から産院までの移動手段を確認しておきましょう。 入院バッグの置き場所や、上の子やペットの預け先なども共有しておくと、急な入院にも対応しやすくなります。
「そばにいてほしい」「静かに待っていてほしい」など、してほしいことがあれば、あらかじめ言葉にして伝えておくのもおすすめです。
産婦人科の口コミが読める・投稿できる情報サイトaeta(あえた)
aeta(あえた)は、赤ちゃんと最初に出会う場所を探せる情報サイト。分娩方法や通いやすさなど、希望に合う産婦人科を見つけられます。
エリアや条件から探せる検索機能
エリア検索やフリーワード検索のほか、無痛分娩や里帰り出産などの条件から絞り込めます。実際に出産した方の口コミを掲載
健診の雰囲気や入院中の過ごし方など、実際に利用した方の声を通して、病院の様子をイメージできます。口コミを投稿した方全員に月齢カードか母子手帳カバーをプレゼント
月齢カードと母子手帳カバーのデザインは、それぞれ10種類以上!お気に入りのデザインで、赤ちゃんの成長をかわいく残せます。
赤ちゃんに会えたら、これから産婦人科を探す方に向けて口コミを投稿してみませんか。
【産院さま向け】退院記念品のご準備を「aetaカード」でサポート
退院時や健診時にお渡しする記念品は、アイテムの選定から発注、在庫管理まで手間がかかります。「aetaカード」なら、退院時にカードをお渡しいただくだけ。スマホでママが好きなアイテムを選ぶと、ご自宅に商品が届きます。 在庫を抱えることなく、ママに喜ばれる記念品を手軽にご用意いただけます。
【Q&A】予定日超過に関するよくある疑問
予定日を過ぎると、周囲の言葉や検索で見つけた情報に戸惑う場面もあります。何日過ぎたら入院になるのか、兆候がないまま自然分娩できるのかなど、よく挙がる疑問について整理しました。
Q. 予定日を5日超過したときはどう過ごしたらいい?
A. 予定日から5日後はおよそ妊娠40週5日で、正期産の範囲にあたります。 (※)健診の指示にしたがって通院しながら、胎動をいつも通り感じられるかを確認して過ごしましょう。胎動が普段より少ないと感じたときや、気になる症状があるときは、時間帯を問わず産院へ連絡しましょう。
(※)参照:「日本産科婦人科学会」
Q. 予定日を10日過ぎたら入院して促進剤を使う?
A. 予定日から10日後はおよそ妊娠41週3日で、分娩誘発を検討することがある時期です。 (※)ただし、入院や薬を使うタイミングは、子宮口の状態や母体、赤ちゃんの状態、産院の方針によって異なります。今後の流れや入院の時期について健診の際に確認しておくと、段取りが組みやすくなるでしょう。
(※)参照:「日本助産学会」
Q. 予定日より遅く生まれる赤ちゃんにスピリチュアルな意味はある?育てやすいという噂は本当?
A. 「おなかの中が心地よかった」「マイペースな子になる」といった話は、昔からいわれている言い伝えです。予定日より遅く生まれた子が育てやすい傾向についても、はっきりしたデータはありません。
出産の時期は、予定日の計算や子宮口の状態など、さまざまな要因が関係します。 言い伝えは、楽しむ範囲で受け止めましょう。
Q. おしるしや前駆陣痛がないまま予定日を過ぎても自然分娩できる?
A. おしるしや前駆陣痛は全員に起こるものではなく、前触れがないまま陣痛が始まることもあります。
産院へ連絡する目安は、初産婦さんで10分おき、経産婦さんで10分〜15分おきの規則的な痛みがあるときとされています。破水した場合や、破水かどうか迷う場合も連絡しましょう(※)。連絡の目安は産院によって異なるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
(※)参照:「国立成育医療研究センター」
予定日超過に焦らず、医師と相談しながら出産を迎えよう
<本記事のポイント>
- 妊娠41週6日までは正期産で、予定日超過は珍しくない
- 妊娠42週0日以降は過期産と呼ばれ、日本では1%未満
- 陣痛がこない背景には、子宮口の熟化の進み方や予定日のずれがある
- 予定日を過ぎると検査で状態を確認し、分娩誘発を検討することも
- 焦らず自分のペースで過ごし、外出時は持ち物や移動手段を確認
出産予定日はあくまで目安で、妊娠41週6日までは正期産の範囲です。予定日を過ぎたあとは、赤ちゃんや母体の状態を確認しながら、今後の方針が検討されます。
予定日を過ぎると、陣痛がいつ始まるのか不安になることもあります。健診で医師や助産師に相談しながら、入院準備など今できることを進めて、出産の日を迎えましょう。














