子宮頸管とはどこを指す?妊婦健診で「子宮頸管が短い」「長さを確認します」と説明を受け、子宮頸管について知る方も多いでしょう。子宮頸管の長さは妊娠中の経過を確認する指標のひとつであり、健診で定期的に確認されることがあります。
子宮頸管とはどこを指すのかを図で確認しながら、役割や測り方、週数別の長さの平均を解説。短くなる原因、妊娠への影響、過ごし方や治療についても分かりやすく説明します。
子宮頸管とはどこを指す?場所を図で確認
上記のイラストのように、 子宮頸管(しきゅうけいかん)とは、子宮の下部に位置し、子宮と腟をつないでいる管状の部位です。
通常は細く閉じていますが、出産が近づくと少しずつ柔らかくなり、お産の際には赤ちゃんが通る産道の一部となります。妊娠中は赤ちゃんをお腹の中で育てるために大切な役割を担っています。
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妊娠中の子宮頸管の役割を解説!赤ちゃんを支えるためのもの
子宮頸管には、妊娠を継続するために大切な役割があります。妊娠の時期によって状態が変化する、主な3つの役割をご紹介します。
赤ちゃんを子宮の中にとどめておく
子宮頸管は、 妊娠中は硬く閉じた状態を保つことで、成長する赤ちゃんや羊水を子宮内にとどめる役割を果たします。 出産が近づくまでは子宮の出口をしっかり閉じ、お腹の中で赤ちゃんが育つ環境を支えています。
細菌感染するのを防ぐ
子宮頸管は子宮と腟をつなぐ部位にあり、細菌などが子宮内へ入り込むのを防ぐ役割があります。 子宮内の環境を保ち、赤ちゃんが育つ環境を守っています。
出産のときに産道となる
出産の時期を迎えると、赤ちゃんが子宮の外へ出てくるための通り道である産道へと変化します。 ホルモンの変化によって子宮頸管は徐々に柔らかくなり、短くなります。 出産を支える大切な役割を担っている器官です。
子宮頸管長はいつから測る?測り方を解説
子宮頸管長は妊婦健診で確認する項目のひとつですが、「いつから測るの?」「どのように測定するの?」と疑問に思う方もいるでしょう。子宮頸管長を測定する時期や方法について解説します。
妊婦健診で子宮頸管をいつから測り始める?妊婦さんの状況によって異なる
子宮頸管長を測定する時期は妊婦さんの状況によって異なります。早産の経験がある方など早産のリスクが高い場合は、妊娠14週〜24週頃の妊婦健診ごとに測定することが推奨されています。
一方、 初めて妊娠した方や、これまで早産の経験がない方の場合は妊娠20週〜24週頃に測定するケースが多いです。 (※)
(※)参照:「日本産婦人科医会」
子宮頸管長の測り方!経腹エコーと経腟エコーの違い
子宮頸管長は、主に経腟エコー(経腟超音波検査)で測定します。 腟内に細いプローブを挿入し、子宮頸管の長さや内子宮口の状態を画像で確認します。 子宮頸管に近い位置から観察できるため、頸管の長さを詳しく評価できます。
一方、経腹エコー(経腹超音波検査)は、お腹にプローブを当てて赤ちゃんの成長や子宮の状態を確認する検査です。子宮頸管の状態を確認することもありますが、長さを詳しく測定する場合には経腟エコーが用いられます。
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子宮頸管長の週数ごとの平均と短いと判断される基準とは?
子宮頸管の長さは妊娠週数によって変化します。妊娠中期までは一定の長さを保ち、出産が近づくにつれて少しずつ短くなるのが一般的。週数ごとの子宮頸管長の目安や、短いと判断される基準について解説します。
妊娠週数ごとの子宮頸管の長さの目安
子宮頸管の長さには個人差がありますが、 妊娠24週頃では約35mmがひとつの目安とされています。 妊娠週数が進むにつれて子宮頸管は徐々に変化し、出産に向けた準備が進んでいきます。
子宮頸管の長さは妊娠週数が進むにつれて、出産に向けて徐々に短くなります。以下は一般的な目安であり、長さには個人差があります。
| 妊娠週数 | 子宮頸管の長さの目安 |
|---|---|
| 妊娠16週〜27週頃 | 約40mm |
| 妊娠24週の平均(妊娠7ヶ月頃) | 約35mm |
| 妊娠32週〜35週頃(妊娠9ヶ月頃) | 約25mm〜30mm(正期産に向けてさらに短くなる) |
短いと判断される基準と切迫早産のリスク
一般的に、 妊娠24週までに子宮頸管の長さが25mm未満になると、子宮頸管が短くなっている状態として注意が必要です。 子宮頸管の長さが短い場合、早産のリスクが高まることが知られています。(※1)
ただし、子宮頸管は妊娠週数の経過に伴って自然に短くなるものです。そのため「○mmだと必ず早産になる」というわけではありません。医師は子宮頸管の長さの数値だけではなく、子宮口の開き具合、お腹の張り、出血の有無、妊娠週数などを総合的に見て判断します。(※2)
(※1)参照:「国立成育医療研究センター」
(※2)参照:「日本産婦人科医会」
子宮頸管が短いとどうなる?切迫早産など妊娠への影響
子宮頸管が基準より短くなると、赤ちゃんを子宮内にとどめる力が弱くなり、妊娠経過に影響が出る場合があります。子宮頸管が短いことで起こりやすい主なリスクをご紹介します。
流産や早産のリスクが高まる
子宮頸管が短くなると、子宮口が開きやすくなり、赤ちゃんが下がりやすい状態になることがあります。
お腹の張りや痛み、出血などの症状がみられる場合は、切迫流産や切迫早産と診断されることがあります。子宮頸管の長さや妊娠週数、お腹の張りなどの状態によって、自宅で安静にしたり、入院したりして経過をみます。入院が必要かどうかや安静の程度は、医師が状態を確認した上で判断します。
前期破水のリスクが高まる
子宮頸管が短くなったり子宮口が開き始めたりすると、陣痛が始まる前に卵膜が破れ、羊水が流れ出る「前期破水」が起こることも。 前期破水が起こると、腟の細菌が子宮内に入り、感染につながる場合があります。
前期破水が起こったときは、妊娠週数や赤ちゃんの状態を確認するため、入院して経過をみることが一般的です。赤ちゃんへの感染を防ぐため、抗菌薬を使用する場合もあります。(※)前期破水かどうか判断できない場合は、自己判断せず、かかりつけの産婦人科へ連絡してください。
(※)参照:「日本産婦人科医会」
子宮頸管の長さはどうして短くなる?短くなる原因を解説
子宮頸管が短くなる背景には、炎症や体質など、さまざまな要因が関係すると考えられています。子宮頚管が短くなる主な原因について解説します。
子宮頸管炎や絨毛膜羊膜炎などの炎症
腟内の細菌などによる炎症が子宮頸管に広がると、「子宮頸管炎」を起こすことがあります。炎症が赤ちゃんを包んでいる卵膜まで広がると、「絨毛膜羊膜炎」となります。
炎症によって子宮頸管が柔らかくなったり短くなったりすることがあり、早産につながる場合があります。
子宮頸管無力症
子宮頸管無力症は、お腹の張りや痛みなどの自覚症状がないまま、子宮頸管が短くなったり子宮口が開いたりする状態です。
はっきりとした原因は分かっていませんが、生まれつきの体質や、過去の手術などが関係している場合があります。自覚症状がない場合もあるため、妊婦健診などで子宮頸管の状態を確認することがあります。(※)
(※)参照:「日本産婦人科医会」
子宮頸管が短くなるスピードはどれくらい?個人差があるため定期的な健診が大切
子宮頸管が短くなるスピードには個人差があります。 自覚症状がないまま短くなる場合もあるため、医師から指示された健診を受け、子宮頸管の長さを確認することが大切です。
子宮頸管の長さが短いとどのような治療をする?妊娠週数に応じた治療
子宮頸管が短い場合は、妊娠週数や子宮頸管の長さ、お腹の張りや出血などの症状、これまでの妊娠経過などを考慮して治療方針が決まります。状態によっては自宅で安静にしたり、入院して経過をみたりすることがあります。
自宅安静や入院で安静を保つ
子宮頸管が短くなっていても、症状や妊娠週数などによっては、自宅で安静にして経過をみることがあります。 お腹の張りが続く場合や、子宮頸管の短縮が進んでいる場合などは、入院して経過をみる場合もあります。
自宅安静では、家事や外出などを控えて休むよう指示されるのが一般的です。入院が必要かどうかや安静の程度は、妊娠週数や症状などを考慮して医師が判断します。
内服薬や点滴で子宮の収縮を抑える
お腹の張りが頻繁にある場合は、子宮収縮を抑える薬を使用することがあります。 子宮の収縮が頻回で、早産になるリスクが高いときには、入院した上で点滴などで治療する場合もあります。
また、妊娠34週未満で早産になる傾向がある場合は、赤ちゃんの肺の成熟を促し、脳出血を予防する目的で、副腎皮質ステロイドを使用する場合があります。(※)
(※)参照:「日本産婦人科医会」
感染した場合薬の投与をする
前期破水などによって感染のリスクがある場合は、赤ちゃんへの感染を防ぐため、抗菌薬を使用することがあります。 妊娠週数や赤ちゃんの成熟などを考慮しながら、感染に注意して経過をみます。
子宮頸管縫縮術(しきゅうけいかんほうしゅくじゅつ)などの手術をする
以前の妊娠で子宮頸管無力症と診断されたときは、妊娠12週を過ぎたころに流産や早産の予防を目的として子宮頸管縫縮術(しきゅうけいかんほうしゅくじゅつ)をする場合があります。
また、妊娠中期に子宮頸管が短くなり胎胞が出てきた場合にも、子宮頸管縫縮術を検討することがあります。 手術するかどうかは、妊娠週数や子宮頸管の状態などを踏まえて判断されます。 (※)子宮頸管縫縮術にはいくつかの方法があり、代表的な手術法は以下の3種類です。
(※)参照:「日本産婦人科医会」
マクドナルド法
子宮頸管の外側を糸で縫い合わせ、子宮口が開くのを抑える方法です。子宮頸管縫縮術の代表的な方法です。
シロッカー法
子宮頸管の粘膜の下に糸を通して、子宮頸管を縫い合わせる方法です。マクドナルド法よりも高い位置で縫合します。
腹膜開放式
腟から腹膜を開放し、子宮の下部を確認しながら、内子宮口に近い高い位置で子宮頸管を縫縮する方法です。マクドナルド法やシロッカー法が難しい場合などに検討されます。(※)
(※)参照:「昭和大学総合周産期母子医療センター」
子宮頸管が短いと言われたときの過ごし方
子宮頸管が短いと診断された場合は、状態に応じて日常生活での過ごし方を調整することがあります。安静時の具体的な過ごし方のポイントを解説します。
子宮頸管が短いときの過ごし方!仕事や家事はどこまでOK?
安静の指示がある場合は、重いものを持つことや長時間の立ち仕事などを控えるのが一般的。仕事を休んだり、勤務時間や仕事内容を調整したりしましょう。家事もできるだけ家族に任せるなど、体への負担を減らせる方法を検討します。
どの程度まで動いて良いかは、子宮頸管の長さやお腹の張りなどによって異なります。 仕事や家事についても、具体的な制限がどの程度必要か医師に確認しましょう。
子宮頸管縫縮術の治療後や退院後の日常生活の過ごし方
子宮頸管縫縮術を受けた後は、感染予防のために抗菌薬を使用する場合があります。手術後は経過を確認しながら、約1週間入院してから退院となることが多いです。
退院後は、手術を受けた時期や妊娠週数などによって、動いてよい範囲が異なります。近所への買い物などはできる場合もありますが、 重いものを持つことや長時間の外出は控え、無理のない範囲で過ごしましょう。 お腹の張りを感じたときは、横になって体を休めるのが大切です。退院後の過ごし方は医師に確認しておくと良いでしょう。
病院へ連絡するサイン!お腹の張り・出血・破水など
子宮頸管が短いと言われている場合は、普段と違う体の変化にも気をつけましょう。 お腹の張りや痛みが規則的に続く、出血がある、破水が疑われる、水っぽい液体が出るなどの変化があれば、健診日を待たずにかかりつけの病院へ連絡を。
規則的な子宮収縮があり、子宮口が開き始めたり、子宮頸管が短くなったりするなどの症状は早産につながる状態といえます。
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【Q&A】子宮頸管に関するよくある疑問
子宮頸管に関して、妊婦さんからよく寄せられる代表的な疑問や不安にお答えします。
Q. 子宮頸管は何センチになったら入院になりますか?
A. 子宮頸管長が25mm未満になると早産のリスクが高くなることが知られていますが、25mm未満だと、必ず入院になるわけではありません。 妊娠週数やお腹の張り、子宮口の開きなどを確認し、入院が必要かどうか判断されます。
Q. 子宮頸管の長さはどのように測りますか?
A. 子宮頸管の長さは、産婦人科で行う経腟超音波検査で確認します。 早産のリスクが高い妊婦では、妊娠14週~24週の間、健診のたびに子宮頸管長を確認することがあります。早産リスクが低い妊婦では、妊娠20週~24週に測定する方法があります。
Q. 子宮頸管が短くなっている原因はなんですか?
A. はっきりとした原因が分からない場合もあります。 子宮頸管が短くなる背景には、子宮頸管の炎症や感染、子宮頸管無力症などが関係するといわれています。ただし、子宮頸管が短くなる仕組みについては、まだ分かっていないことも多いです。
Q. 子宮頸管を伸ばす方法はありますか?
A. 一度短くなった子宮頸管を自分で長くするのは難しいものです。 子宮頸管が短くなった場合は、妊娠週数や症状、子宮頸管の状態などを確認しながら、経過をみたり、薬による治療や子宮頸管縫縮術などを検討したりします。安静の程度も含めて、医師と相談しながら決めていきます。
子宮頸管の長さや状態を正しく理解して無理のない妊娠生活を
<この記事のポイント>
- 子宮頸管とは子宮と腟をつなぐ部分で、妊娠中は赤ちゃんを支える役割がある
- 子宮頸管の長さは妊娠週数によって変化し、主に経腟エコーで確認する
- 子宮頸管が短い場合は、妊娠週数やお腹の張りなどに応じて治療や経過観察を行う
- 短いと言われたときは、無理をせず医師の指示に従い、お腹の張りや出血、破水などの変化に注意する
子宮頸管が短いと言われると不安になるものですが、子宮頸管の長さだけで入院や出産時期が決まるわけではありません。妊娠週数やお腹の張り、子宮口の状態などを確認しながら、経過をみたり治療したりします。
気になる症状があるときや、日常生活でどこまで動いて良いか迷うときは、自己判断せず、かかりつけの病院に相談しましょう。




