妊娠中は、さまざまな肌トラブルが発生しやすくなっています。肌トラブルは、放っておくと悪化するなど出産後も長引いてしまう可能性もあります。
今回は、妊娠中に肌トラブルが多くなる原因や具体的な症状、対処法などについて詳しくお伝えしていきますので、ぜひ参考にして見てください。
妊娠中はなぜ肌荒れが起きる？
妊娠中に肌荒れが起きるには、いくつかの原因があります。まずはその原因を突き止めて、解決策を見つけていきましょう。
ホルモンバランスの変化
妊娠中は、プロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンが多く分泌されます。妊娠を継続させるうえで欠かせないものではありますが、プロゲステロンの影響によりむくみや頭痛、そして肌荒れなどのトラブルが引き起こされます。
肌荒れに関しては、プロゲステロンのうち皮脂分泌を促す働きが原因となって発生するものです。
つわり
個人差はあるものの、妊娠初期のつわりにより思うように食事が摂ることができず、栄養の偏りが出たりすることにより肌が荒れてしまうことがあります。
また、妊娠後期においてはつわりは落ち着いており、食事をきちんと摂ることはできたとしても、今度は母乳を作るために水分が必要となることから、水分不足による肌荒れが起こることがあります。
特に妊娠後期の時期には、いつも以上に水分を摂取することを心がける必要があると言えます。
睡眠不足
妊娠中は、初期のつわりやお腹が大きくなってきた時期には胎動やなんらかの体調不良などを抱えることで、睡眠が十分にとれないということもあるのではないでしょうか。
そのため、睡眠不足により肌荒れが引き起こされることもあります。
睡眠は、身体だけでなく気持ちを休める上でも重要な役割を担います。
リラックスして心も体もしっかりと休めることは、ママにとっても赤ちゃんにとっても大切なものだと言えます。
ストレス
先にご紹介した睡眠不足や、出産に対する不安や体調の変化によりストレスを感じることが肌荒れの原因となることもあります。
妊娠中は、おなかの赤ちゃんの成長をひしひしと感じ、会えることが楽しみだという一方で、ホルモンバランスの変化も相まって妊娠や出産に対する不安やプレッシャーを感じやすい時期です。
出来るだけストレスの原因をなくして、リラックスした状態で妊娠生活を送ることが肌荒れ防止にも役立つこととなります。
妊娠中の肌荒れにはどのような症状がある？
次に、妊娠中に多く見られる肌荒れの症状を見ていきましょう。
ニキビ・吹き出物
大人になってニキビや吹き出物とはしばらく疎遠になっていた方であっても、妊娠をきっかけに悩まされるということも多くあります。
ニキビや吹き出物の原因には、黄体ホルモンの分泌が活発になることのほか、栄養バランスの乱れ、睡眠不足、ストレス、便秘などが挙げられます。
しみ・そばかす
ホルモンバランスの変化によってメラニン色素の生成が活発化し、しみやそばかすができやすくなります。
出産してホルモンバランスが整ったのちでも、しみやそばかすが残る可能性もあるため、妊娠中からの対策が重要になるといえます。
乾燥・かゆみ
妊娠中はおなかの赤ちゃんに栄養や水分を優先して送るために、母体の水分量が不足し乾燥肌になる傾向があります。
乾燥が進行すると、かゆみの症状が出ることもあるため、出来るだけ早めに対処することで悪化を防ぐことが求められます。
妊娠中の肌荒れはいつまで？
それでは、妊娠中に起こるさまざまな肌荒れの症状はどの程度で落ち着くものなのでしょうか？
結論としては、肌荒れの症状や原因によりその時期は変わってきます。
症状ごとに理解しておくことで、ストレスを最小限にして肌トラブルと付き合っていくことができます。
ニキビ・吹き出物はいつまで？
ニキビや吹き出物の場合は、ホルモンバランスの変化やつわりの影響によることが多いです。したがって、つわりの落ち着く妊娠中期以前までにはある程度症状が落ち着いているという場合が多くなっています。
ただし、ニキビや吹き出物の原因がストレスや睡眠不足によるものである場合には、症状が妊娠後期にまで長引く可能性もあります。
しみ・そばかすはいつまで？
しみ・そばかすはホルモンバランスの変化が影響となることから、基本的に妊娠中はどの時期も気を付けて対策が必要になる肌トラブルだといえます。
しみ・そばかすの原因であるメラニンの生成が促進されることで、乳頭や乳輪が黒ずむという症状もあります。これは、赤ちゃんがおっぱいを飲むときにわかりやすく示すためのものであり、必要な体の変化だと言えるでしょう。
したがって、メラニンの生成促進は妊娠期に必要なことであるため、しみ・そばかすに関しては対策や予防をして上手に付き合っていく必要があるといえます。
乾燥・かゆみはいつまで？
乾燥やかゆみに関しては、おなかの中に赤ちゃんがいる妊娠中は続く可能性のある肌トラブルです。しみ・そばかす同様にケアや対策をすることで、症状の悪化を防ぐことや、肌荒れ予防をすることで、妊娠生活も快適なものとすることができるはずです。
具体的な肌荒れ対策については、次のコンテンツで詳しくご紹介します。
妊娠中の肌荒れ対策
ここまで妊娠中の肌荒れの原因についてご紹介しましたが、続いては肌荒れが起こらないための予防や、肌が荒れてしまった場合にどのような改善策を取っていくのと良いのかについてお話していきます。
栄養バランスを考える
肌荒れ対策としては、甘いものや脂っぽいものを避けるということです。
甘いものや脂っぽいものを摂りすぎると、肌荒れを引き起こすだけでなく体重増加を招く可能性があります。妊娠中の大幅な体重増加は出産にも影響を及ぼす可能性があるために、避ける必要があります。
したがって、食べたいものばかりでなく体に必要なものを意識して食事を摂取することを心がけるようにしましょう。
それでは、肌荒れに効く栄養素や食べ物にはどのようなものがあるのでしょうか？
栄養素で言うと、ビタミンA・B・C・E、そしてタンパク質、食物繊維などが挙げられます。
ビタミンAは、うなぎやレバーに含まれるものであり、肌のターンオーバーの活性化が期待できます。
ビタミンBは、牛乳などの乳製品や大豆、卵に含まれています。ホルモンバランスを整え、肌荒れを改善する効果が期待できます。
ビタミンCは、野菜や果物に多く含まれており、コラーゲンの生成促進や、過剰な皮脂分泌を浴せさせる効果が期待できます。
ビタミンEは、ナッツ類や植物油に多く含まれています。紫外線から肌を守り、肌の老化を防ぐ効果が期待できます。
タンパク質は、肉や魚、卵や大豆製品、乳製品に多く含まれます。幅広い食材に含まれていることから、バランスの良い食事がカギとなると言えるでしょう。肌にハリやツヤを与えてくれます。
食物繊維は、便秘による肌荒れを防止する効果が期待できます。
海藻類や果物、豆類などに多く含まれる栄養素です。
ただ、妊娠初期のつわりの時期は、食べても吐いてしまったり特定のものしか体が受け付けなかったりということも多いでしょう。
そのため、つわりの時は無理をせず「今だけはしょうがない」と割り切って考えてください。
つわりの症状がつらいのに、「栄養をしっかりと取らないと」と無理をすることで、かえって症状が悪化したり精神的にも大きなストレスを感じたりすることになりかねません。
無理をしない程度で栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。
スキンケアを見直す
妊娠中はホルモンバランスの乱れにより、肌が敏感になることで普段は問題なく使えていたスキンケア用品であっても、肌荒れを引き起こすことがあります。
そのため、敏感肌用のものや無添加のものを選ぶなど、肌に優しいものに変えてみるというのもおすすめです。
出産後のことを考えて、赤ちゃんにも使えるスキンケア用品を選ぶのもおすすめです。
また、妊娠中は皮脂や汗の量が多くなるため、スキンケアの方法も見直すのが良いでしょう。
きめの細かい泡で優しく包み込むようにして丁寧に洗います。ゴシゴシ洗ってしまうと、かえって肌荒れが悪化してしまう可能性があるため、「丁寧に」「やさしく」がポイントです。
水分をしっかりとる
水分をしっかりとることは、肌の乾燥を防ぐだけでなく、便秘の改善にも効果的です。
一気に水分を摂取するよりも、こまめな水分補給を意識するのがおすすめです。
そうすることで、水分補給を負担に感じることなく続けることができます。
十分な睡眠
質の良い睡眠をとるために、アロマオイルやリラックス効果のある音楽を流すなどの工夫をしてみましょう。
また、寝室に加湿器を設置することは、空気の乾燥を防ぎ、肌荒れだけでなく体調管理にも役立ちます。
睡眠により体や肌を休めることは、体力や肌の回復に効果的です。寝る直前までスマホやテレビを見ているのも睡眠不足を招いたり、質の良い睡眠を妨げたりする原因となります。妊娠中は特に睡眠の質を意識することが重要となります。
紫外線対策
外出の際には、帽子や日傘、グローブなどの紫外線対策グッズを活用する、日焼け止めをしっかり塗るなどの紫外線対策をしっかりとおこないましょう。日差しが少ない日や雨の日であっても、紫外線はしっかり降り注いでいますのでケアを怠らないようにします。
スキンケア用品同様に、日焼け止めも低刺激のものなどがありますので、自分の肌状態に合ったものを選びが大切です。
まとめ
以上、妊娠中に起こりうる肌荒れの症状や原因、そして対策法についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか？
妊娠中は肌トラブルが起こりやすい時期であるため、あらかじめそれを理解して対処法を知っておくことで、予防することや悪化を防ぐことが可能です。
今回お伝えしたことを参考にして、妊娠中の肌トラブルと上手に付き合っていきましょう。
